CNTアクチュエータを用いたピペット
オートメーション化された微量の薬液注入には、通常比較的大きなピペットとそのピペットを作動させるためのモーターが必要です。小型化されたピペットを用いれば、マイクロドージングの需要がある新しい領域での可能性が広がります。
<アプローチ>
われわれが採用したアプローチは、屈曲するCNTアクチュエータをPCBに直接統合する方法で、これにより、アクチュエータの動きを摩擦を伴わず液体に伝えることが可能です。駆動用の電子装置もPCB上に配置されており、アクチュエータを低電圧で制御します。標準的なPCB層(硬いFR4とフレキシブルなポリイミドの積層)にフライス加工とレーザー切断を施すことでピペットチャンネル、空洞および薄膜の開口部が形づくられました。その積層の上にカーボンナノチューブアクチュエータが接着され、金電極により高い導電性が確保されています。
<特徴>
- 微量な液体作動量:10μ(l 最大20μl、液滴が単一である場合)
- チャンネルの長さ:10mm
- チャンネル幅・高さ:1mm
- ピペットチャンネル内にある抵抗液量レベルを検知する電極および金電極がPCBに統合された構造
<テクニカルデータ>
- 駆動電圧:2 V
- 容量:0.23 F
- ピーク電流:0.21 A
- 充電時間(10%から90%):4.1秒